前立腺がんとは、前立腺にできる高齢の男性に多いがんです。
欧米では男性が最もかかりやすいがんといわれています。
日本では肺がんや胃がんに比べると小数ではありますが、ここ30年ほどで前立腺がんの患者数が急激に増えていて、患者さんの全体の約90%は60歳以上の人です。
前立腺がんの患者数は、1975年からずっと増え続けていて、2020年には約7万8000人が新たに前立腺がんを発症すると推測されています。
では何故、増加の傾向にあるのでしょうか?
増加の原因としては、社会の高齢化、食生活の欧米化などがあげられています。
そして、検査・診断技術の進歩によりがんの発見率が高くなったことも指摘されています。
前立腺がんは、ゆっくり進むのが特徴です。
早いうちに前立腺がんを発見できれば、治療の選択肢も広がるので、治る可能性も高くなります。
早期発見のためにも、50歳を過ぎたら前立腺がんの検査を受けるようにしましょう。
前立腺がんは、尿道に近い「内腺」に起こる「前立腺肥大症」とは異なり、尿道から離れた「外腺」にできるため、初期には尿道への影響が少なく、前立腺がんが多きくなるまでは症状がでにくいのです。
前立腺がんが大きくなった時に排尿障害が現れるので、初期のうちは、尿道を圧迫して排尿障害を引き起こすことはありません。
前立腺がんは、進行がゆっくりしているため、発生して数十年たってから発見される事が多く、直接、前立腺がんが原因で亡くなる人は比較的少ないと言われています。
しかし、前立腺がんは骨に転移しやすく、骨盤骨や背骨に転移すると、腰や背中や骨盤に痛みが生じます。
症状が現れてから医療機関を受診するのではなく、定期的に自治体などの検査を受けることをお勧めします。
前立腺がんの検査には「血液検査」「直腸診」「超音波検査」「前立腺生検」があります。
1、血液検査
前立腺にがん細胞があると、前立腺だけがつくるタンパク質の「PSA(前立腺特異抗原)」の値が上昇します。
PSAの測定は、人間ドックや自治体の検診などでも行なわれています。
しかし、PSA値は前立腺肥大症でも上昇するため、この値だけでは、前立腺がんは疑われますが、はっきりと前立腺がんとは診断できません。
2、直腸診
肛門から指を入れて、直腸越しに前立腺に触れます。
その部位が硬くゴツゴツした感触がすると、前立腺がんがあるという証拠になります。
3、超音波検査
肛門から超音波を発する機器を直腸に挿入し、前立腺がんが疑われる部位があるかどうかを、前立腺の大きさや形から調べます。
4、前立腺生検
血液検査・直腸診・超音波検査で前立腺がんが疑われる場合に行われるもので、特殊な針を刺し、前立腺の組織を採取します。
組織を調べる事で、がん細胞の有無や悪性度がわかります。
この前立腺生検で、前立腺がんであることが確定されます。
前立腺がんの診断後に行う検査で、前立腺がんの進行度を判定できます。
前立腺がんの診断後に行なわれる検査は、「MRI」「CT」「骨シンチ
グラフィー」などの画像検査です。
この検査で、前立腺がんが周辺の機器に広がっていないか、リンパ節や骨に移転していないかを調べます。
これらの検査結果を元に、前立腺がんの進行度をA?Dの4つの病期のどれにあてはまるかを判定し、治療方針を検討します。
前立腺がんの進行度Aは、前立腺肥大症の治療などで偶然にみつかったがんで、前立腺内にとどまっている状態です。
前立腺がんの進行度Bは、前立腺内にとどまっていて、前立腺を包む膜にも広がっていない状態です。
前立腺がんの進行度Cは、前立腺を包む膜や膜の外側、精嚢・膀胱の出口などの近いところに広がってしまっている状態です。
前立腺がんの進行度Dは、リンパ節や直腸などにも広がっていて、骨やその他の離れた臓器にも転移している状態です。